日本歯科審美学会会員の皆様、平素より学会活動にご理解・ご協力を賜りまことにありがとうございます。小生、本年6月の定時社員総会におきまして、大槻昌幸前理事長の後任として本学会理事長を拝命いたしました。微力ながら会務遂行に精励する所存ですので、会員の皆様のご指導・ご鞭撻を何卒よろしくお願い申し上げます。
2019年12月に確認され、その後瞬く間に世界中に拡散した新型コロナウイルス感染症が、わが国においてもようやく終息の兆しがみえてきました。約3年という想定外の長期間、様々な社会活動が著しい制約を受けてきましたが、いよいよそこから脱却して再スタートする時期が来たことは、まことに喜ばしい限りです。本学会においても今年12月9日 (土)・10日 (日)に西谷佳浩大会長、星加知宏準備委員長のもと、第34回学術大会が鹿児島において全面的な対面で開催されることとなり、多くの方々が楽しみにしておられることと存じます。今後は各種の講習会や会議なども順次、対面開催を検討することになると思いますが、それと同時にコロナ禍のケガの功名ともいうべきITの活用についても考慮する余地があるものと考えています。さらにコロナ禍においては世界各国でオンライン診療の規制が緩和されましたが、この診療形態はとくに精神科医療やプライマリケアとの相性がよく、これらの領域が予期せぬ進歩を遂げているようです。審美歯科領域においても通院不要なオンラインによるホワイトニングなども見受けられますが、きちんとしたルールの下で行えば患者さんが受診しやすい診療形態としてさらに発展しうる可能性もあり、これについても会員の皆様と考えていきたいと思います。
またマスク着用が常態化した影響で、「マスクを外すのが怖い」「素顔を知られるのは恥ずかしい」という声も聞かれます。しかし“明眸皓歯”の四文字熟語が示すとおり、口元は目元と並んで顔貌を形づくる二大要素であり、コミュニケーションの上でも表情はとても大切で、「マスク美人」というのはあまり好ましい表現ではないと感じます。afterコロナの今こそ、多くの人々が自分の口元に自信を持てるよう、本学会が先導して良質な歯科審美の普及に努め、国民の口腔保健の向上に貢献していこうではありませんか。